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Randomized Clinical Trial of Supervised Tapering and Cognitive Behavioral Therapy to Facilitate Benzodiazepine Discontinuation in Older Adults With Chronic Insomnia.

Am J Psychiatry. 2004; 161: 332-342

 

55歳以上のベンゾジアゼピン系薬を常用している不眠患者に対する、薬剤の減量中止とその際に認知行動療法を併用する効果について調べた研究。

減量中止の方法をアドバイスした群、不眠の認知行動療法を受けて自分で減量中止した群、両方の介入を併用した群、の3群はいずれも薬剤使用量を90%減らし、使用頻度を80%減らすことができた。また、すべての群で不眠の重症度スコアも改善した。介入後12ヶ月経過しても、薬剤使用量・頻度の減少と不眠の自覚的重症度スコアの改善はともに維持された。

3群の薬剤使用頻度の比較では、併用した群(0.19nights/week)では減量中止のアドバイスをした群(2.3nights/week)に比べ、使用頻度は優位に減少した。


アドバイス群、認知行動療法群、併用群の3つでの有意差は薬剤使用頻度の減少について出たものの、その他は有意差なし。
すべての群で、薬剤の使用量・頻度の減少、睡眠日記での睡眠効率や睡眠合計時間などの改善、自覚的な不眠の重症度スコアの改善が得られた。
薬剤の使用量・頻度の減少、睡眠日記での睡眠効率や睡眠合計時間などの改善は12ヵ月後にも維持されていた。
宣伝を出して連絡をしてきた患者を選んでおり、本人の大きな努力を伴う介入なので、そこはバイアスあり。また、アドバイスと認知行動療法を併用することで得られた効果が少ないことが気になる。逆に言うと、この患者層では、10週間かけてアドバイスしながら減量中止すれば、毎週90分ずつ10週間の認知行動療法を併用した場合とほぼ同等の結果が得られたということも言えそう。
 

 

<方法>

Inclusion Criteria
55歳以上の不眠患者、②週3.5回以上のベンゾジアゼピン系薬を3ヶ月以上にわたって内服、③週3日以上の不眠の自覚症状が6ヶ月以上続く、④日中の倦怠感などパフォーマンスの低下を自覚、を満たす

Exclusion Criteria
①不眠が身体疾患、精神疾患による場合、②睡眠時無呼吸症候群(
AHI>15)やPeriodic Limb Movement DisorderPLM index with arousal>15)、③最近の心理療法、④ベンゾジアゼピン系薬以外の睡眠薬の使用、⑤大うつ病やその他の精神疾患の診断(DSM-Ⅳ)、認知症(MMSE<23

Measures
睡眠日記:介入2週間前から開始して10週間の治療期間中、312ヶ月後のフォローアップの直前2週間に実施。毎日の朝食中につける。記載項目は、就寝時刻、起床時刻、眠れるまでの時間、中途覚醒の回数と時間、内服の使用。

Crinical Outcome Ratings
自覚的な不眠の重症度をそれぞれ0-4点で評価する。評価項目は、入眠困難、中途覚醒、早朝覚醒、日中のパフォーマンス低下、不眠による目にみえる障害、不眠から生じる不安、睡眠に関する満足度、の7つ。合計0-28点でスコアが高いほど重症。

Withdrawal Symptoms
The Clinical Institute Withdrawal Assessment- Benzodiazepines20項目について、各5点、100点満点で評価。

Treatment Conditionas
     減量中止方法のアドバイス:10週間かけて減量中止する。①目標設定、②多剤用いている場合は単剤にする、③2週間毎に25%ずつ、最小の薬容量まで減量、④内服しない日を増やす、⑤頓用ではなくて定時内服する。毎週15-20分の診察で、減量の指示と不眠の症状のチェック、離脱症状のチェックをする。
     認知行動療法:毎週90分ずつ、4-6人のスモールグループで修士レベルの臨床心理士が実施。Behavioral Componentは、睡眠制限と睡眠誘発刺激コントロールの介入。Cognitive Componentは、睡眠に対する非現実的な期待(絶対8時間寝るとか)や、不眠による悪影響への過剰反応、睡眠に対する間違った認識、離脱症状に対する不安などに介入。Educational Componentは、睡眠衛生や加齢と睡眠の関係などについての教育的介入。

Follow Ups
介入の開始前、10週間の介入直後に加えて、介入の312ヵ月後にメールでフォローした。

 

<結果>

対象となったのは、平均62.555-82)歳、ベンゾジアゼピン系薬を平均6.7/week、平均19.32.5-35)年継続している患者76(男38、女38)名。これまでに、薬剤減量・中止を平均6.1回失敗していた。
認知行動療法群24名、アドバイス群25名、併用群27名に無作為に割りつけた。10週間の治療介入をすべて受けたのは69名だった。

Use of Benzodiazepine Medication
アドバイス群、認知行動療法群、併用群、の3群はいずれも薬剤使用量を90%減らし、使用頻度を80%減らすことができた。介入後12ヶ月経過しても、薬剤使用量・頻度の減少はともに維持された。
3群の薬剤使用頻度の比較では、併用した群(0.19nights/week)では減量中止のアドバイスをした群(2.3nights/week)に比べ、使用頻度は有意に減少した。

Sleep Data
すべての群の合計で、睡眠効率(合計睡眠時間÷ベッドの中にいた時間×100)、眠れなかった合計時間(入眠までの時間+中途覚醒の時間+早朝覚醒の時間)、合計睡眠時間、入眠までの時間、は有意に改善した。また、312ヶ月後にも、睡眠効率と合計睡眠時間の有意差は維持された。3群間では有意差なし。

Clinical Outcome Rating and Psychological Symptoms
自覚的な不眠の重症度スコアの合計点は有意に改善したが、3群間での有意差なし。介入直後と312ヶ月後の比較では有意差な変化はなかった。すべての群で、12ヶ月後にもスコア14点未満のsubclinical rangeだった。

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